どうも、小川です。
私はよく合心館京都大阪はサードプレイスでありたいと言っていますが、今まできちんとサードプレイスに関する本を読んで勉強をした事がありませんでした。
今回はサードプレイスの重要性の提唱者であるアメリカ合衆国の社会学者 レイ・オルデンバーグさんのサードプレイス コミュニティの核になる「とびきり居心地よい場所」 という本を読んでみました。
4,000円オーバーと高めの本で買うのに勇気💦がいりましたが、結果大正解でした。
とても参考になったので、簡単に内容をまとめようかなと思います。
学者さんの書いた本で、難しい内容かなと思ったのですが、
全編を通して、分かりやすい文章で書かれており、文章を読むのが苦手な私でもサクサク読み進める事ができました。
サードプレイス(第三の場所)の意味とは?
サードプレイスとは、、家庭(第一の場所)、職場(第二の場所)とは別に人々の居場所として、都市社会学にて非常に重要だと言われている第三の場所の事です。
例えば、カフェ、クラブ、公園など・・・
アメリカの社会学者レイ・オルデンバーグが、著書の中で、サード・プレイスが、現在社会において非常に重要な場所である事を言及し、注目されるようになりました。
現在では家庭や職場では各人が役割を持っており、ありのままの自分としている事のできる時間は少ないのではないでしょうか?
サードプレイスでは家庭や職場での役割から解放され、気楽な一個人として、くつろげる場所という事になります。
特に多くのストレスを抱える現代人にとっては、サードプレイスは非常に重要な場所なのだと思います。
サードプレイスの重要性の提唱者、「レイ・オルデンバーグ」
レイ・オルデンバーグ(Ray Oldenburg 1932 - )はアメリカ合衆国の社会学者。専門は都市社会学。
西フロリダ大学名誉教授。
州立マンカト大学、現在のミネソタ州立大学マンカト校で英語と社会科の学士号、ミネソタ大学で社会学の修士号及び博士号取得。
彼はサード・プレイスという言葉を用いて、アメリカ社会を批判した。
ヨーロッパのカフェやパブなどをサード・プレイスとしてコミュニティの活気の中心となる場所と位置づけた。
引用:Wikipedia
レイ・オルデンバーグの著書
「見知らぬ者どうしの気楽で面白い混交」を創り出し、情報交換・意見交換の場所、地域の活動拠点としても機能する、地元の飲食店や個人商店ならではの特質が社会学の知見をもとに照らし出される。
第I部では、〈サードプイレス〉の機能、特徴、物理的な条件が詳細に解説され、第II部では、イギリスのパブやフランスのカフェなどの具体例から、文化や国民性が生み出す〈サードプレイス〉のヴァリエーションが紹介される。
さらに第III部では、社会・政治面での〈サードプレイス〉の課題とその解決策が論じられる。
全編を通じ、オルデンバーグが〈サードプレイス〉に向ける期待は揺るぎない。
そこには長年「とびきり居心地よい場所」に親しみ観察してきた者の実感と、「コミュニティの問題は住民の力で解決できる」という市民魂がみなぎっている。
店舗設計、都市計画、マーケティング、地域社会づくりの分野に刺激を与えつづけてきた書の待望の邦訳。
引用:Amazon
「サード・プレイス」の8つの特徴
レイ・オルデンバーグが著書の中で、サードプレイスの代表的な特徴を8つ紹介しています。
合心館京都・大阪を作った時は、サードプレイスという言葉は知りませんでしたが、サードプレイスの特徴は私が作りたかった道場そのもので驚いています。
レイ・オルデンバーグさんの著書を何度も読み直し、自分の考え方をしっかりと再確認する必要性を感じています。
下記(※)引用:レイ・オルデンバーグ; マイク・モラスキー. サードプレイス
サードプレイス コミュニティの核になる「とびきり居心地よい場所」
1)中立の領域で
サードプレイスに来る人は義務感からそこにいるのではありません。
あらゆる役割から解放され、居心地が良い空間であるから喜んで来るのです。
彼らは、経済的、政治的、法的に縛られること無く、喜んでやってきます。
「個人が自由に出入りでき、誰も接待役を引き受けずに 済み、全員がくつろいで居心地よいと感じる、そんな場所がなければならない。(※)」
そのような中立的な場所を維持する為には、
家庭や仕事の事をサードプレイスに持ち込まず、お互いを尊重しあいながら、適度な距離感を持って、その場を楽しむ関係性である事が重要なのではないと思います。
2)人を平等にする
サード・プレイスでは、社会における地位は全く関係ありません。
サードプレイスではあらゆる地位や役割を脱ぎすてた一個人としている事が許されます。
つまり、サードプレイスに集う人々は平等であるという事です。
「平等化は、日常の世界での地位が高い人にとっても低い人にとっても、喜びであり安らぎである。
外では自分の職位をふりかざして服従と注目を要求する人びとも、サードプレイスのなかではいつの間にか、求められ、受け入れられ、認め られ、そして従来の地位がほとんど意味をなさない場所を楽しんでいる。
彼らはありのままの自分として認められ、政治 人生や経済生活の浮き沈みに左右されない条件のもとで受け入れられる。(※)」
3)会話が主な活動
サードプレイスは遊び心のある楽しい会話が主な活動内容です。
会話のトーンは気軽で、ユーモア、ウィットがあり、優しい遊びココロは高く評価されます。
場所が常に楽しい会話と、活気で満ちています。
「そこでのおしゃべりが素敵であること、そしてそれが活発で、機知に富み、華やかで、魅力 的であることこそ、サードプレイスというものを何より明確に表している。
サードプレイスでの交流 の喜びは、初めは笑顔やきらめく瞳で、あるいは握手や軽く背中をたたく仕草で示されるかもしれないが、その喜びはさらに続き、愉快で面白い会話のなかに保たれる。(※)」
4)利用しやすさと便宜
サード・プレイスはオープンで、多くの人が訪れやすい環境です。
アクセスがしやすく、中にいる人々が協調的であり、1人で好きな時間に、気軽に行く事のできる場所です。
「最良のサービスを最大限に提供するサードプレイスは、人が昼夜を問わずほとんどいつでも、きっと知り合いがそこに居ると確信して一人で出かけて行けるところだ。
そんな場所が用意されているのは、孤独や退屈に見舞われたときや、その日に受けた重圧や不満を解消するために良い仲間たちに囲まれてくつろぐ必要があるときの強い味方だ。(※)」
5)常連の存在
サードプレイスには、常連がいて、居心地の良いその場の雰囲気は彼らが作り出します。
常連は新たな訪問者にも優しく親切です。
サードプレイスには常に新たな訪問者を快く受け容れる「常連」がいて、いつも心地良い空気を作っています。
「サードプレイスの魅力は、座席の数や、出される飲み物の種類の多さ、駐車場が使えるかどうか、値段といった特徴にあまり左右されない。
固定客をサードプレイスに引き寄せるものは、店側が提供するのではなく、客仲間が提供 する。サードプレイスは、しかるべき人びとがそこにいて活気づけてこその空間であり、その「 しかるべき人びと」とは常連である。
常連は、その場所に特色を与え、いつ訪れても誰かしら仲間がいることを確約してくれる。(※)」
6)目立たない存在
サード・プレイスに目を引くような派手さは必要ありません。
大抵の場合は、地味だが清潔感のある場所です。
その方が来る方も着飾ることなく、気楽に来ることができるからです。
「物理的構造としてのサードプレイスは、総じて地味だ。
ただし、やや地味と言いがたい例も、ときにはあるが。一部の人びとにサードプレイスの重要性を納得させるのが難しい理由の一つは、 およそ重要とは思えない外観をしているものがとても多いからである。
サードプレイスは、大半があまりぱっとしない。
ほぼ例外なく、 宣伝などされないし、格調高くもない。マスメディア広告が行き渡っていて、中身より外見を重視する文化ならなおのこと、サードプレイスは初めてそこを訪れる人に好印象を与えないだろう。(※)」
7)その雰囲気に遊び心がある
サード・プレイスでの会話は陽気で遊び心があるものでなくてはなりません。
そうすれば、自ずと場所の雰囲気も明るく、遊び心は歓迎される雰囲気となります。
「サードプレイスに絶えず漂う雰囲気は、遊び心に満ちている。
真面目な会話を続けようとしても、一分と経たないうちに、ほぼ間違いなく失敗に終わる。
あらゆる話題と話者が、ウィットを練習して発揮するための、目に見えない空中ブランコなのだ。(※)」
8)もう一つの我が家
サード・プレイスにいる人たちは、しばしそこが我が家であるように、あったかい感情を共有し、そこに根差しているような気持になります。
我が家とサードプレイスは非常によく似ていますが、我が家はプライベートなものなのに対し、サードプレイスは公共なものになります。
「サードプレイスは多くの点で家庭と張り合って、しばしば勝ちを収めているのだ。
ある人は、サードプレイスと居心地よい家とを引き比べて、そこにあるのは類似性であり、 さらなる脅威をもたらす相違点ではないと見る。
そう、そこが難しいところだ ─ ─ サードプレイスは、往々にして、家より家らしい。(※)」
今後、サードプレイスは存在意義を増す?
今、コロナウィルス感染拡大で在宅ワークが増えています。
在宅ワークは通勤もなく、時間を効率的に使う事ができて良い面もありますが、
第一の場(家庭)と第二の場(職場)が一つになると、人間は息苦しさを感じるように思います。
今、カフェ、クラブなど第三の場(サードプレイス)を経営されている方は苦境にあると思います。
しかし、コロナが落ち着いてきた時、サードプレイスの重要性はますます高まると思います。
コロナで働き方が変わり、人間はサードプレイスというリアルな場をますます求めるのではないかと思います。
オンラインにとって代わる事のできないサードプレイスという場は、絶対になくなる事はないのではないかと私は思います。
合心館京都・大阪は会員にとっての「サードプレイス」でありたい
私は「合気道を通じて一人でも多くの人の人生を豊かにする事」という理念を元に道場を運営しています。
今回、サードプレイス コミュニティの核になる「とびきり居心地よい場所」 を呼んで、合心館京都・大阪は合気道を稽古する場所と同時に、多くの方のサードプレイスでありたいという思いを再確認しました。
この本は私の座右の書として、定期的に読み直したいと思います。
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