どうも、おがわです。
今回は・・・
日本一有名な剣豪である宮本武蔵(みやもとむさし)が晩年書いた日本一有名な武道書「五輪書」の風の巻を簡単に解説したいと思います。
「風の巻」は武蔵から見た他の剣術流派の批評が書かれています。
武蔵は他流派の事をしっかり知らないと、真の意味で自流派(二天一流)は理解できないと記しています。
五輪の書 ~風の巻~ とは?
「風の巻」では剣術の他の流派の批評を通じて、武蔵が創った「二天一流」の考え方を伝えています。
「ここは変だよ、他流派」という事です。
武蔵は固定観念に縛られた、形骸化した兵法を良しとしませんでした。
武蔵にとって兵法は何としても「生き残る為の術」であるべきだという信念があったのだと思います。
①兵法を剣術だけと小さく考えない
武蔵は他流派を、
「道場での剣の扱い方などは覚えているが、剣術のみにとらわれている。型にはまった練習では実際役に立たない」
と批評います。
実際の真剣勝負では、あらゆる状況に臨機応変に対応をして、相手に勝つ道を見いだす必要があります。
剣術ばかりに囚わるという事は、自ら生き残るすべを狭めてしまいます。
もっと兵法をもっと大きく考えて、実戦で生き残ろすべとして、日々稽古をする事が大切なのだと思います。
②太刀は大きければ、大きい方が良い
他の流派では大きな太刀を好む傾向があるが、これはダメだと武蔵は言っています。
長い方が遠い所から相手を斬る事ができ、有利と考えるのは兵法を知らない心の弱い者の考えです。
武蔵は、長い太刀を否定していたわけではなく、太刀は長い方が良いという思い込みを否定していたようです。
闘う場所や相手の武器など状況を見極め、勝つ為に、最も有効な武器を選ぶ事が大切なのだと思います。
③太刀を力任せに振ってはいけない
太刀は 力いっぱい振る方が良いのだと、普通思うのですが・・・
力任せの雑な振り方では、太刀筋が雑になり相手を綺麗に切れない。
また、自分の体勢が崩れるし、
もしかしたら太刀が折れるかもしれません。
そうなると最悪の結果になる事は目に見えています。
④太刀を早く降る事だけにとらわれない
太刀のスピードも同じで、普通は早ければ早い方良いと思うものですが、武蔵はこれも否定しています。
早さだけのこだわると、相手のタイミングに合わず、拍子抜けになってしまいます。
何事も卓説した人の動きは、無駄がなくゆったりとしているものです。
せかせかしたいるように見えるうちは、まだまだです。
⑤奥義はない
「他の流派ではオープンに教える技と奥義と分けて、もったいぶって教えているが、そんな事に意味がない。」
と武蔵は言います。
武蔵はまず、初心者には、その人得意なところを身に着け、徐々に深い所を教えていくそうです。
奥義などはなく、目の前の道を真直ぐ進めばいいだけの事です。
五輪の書とは?
「五輪の書」は宮本武蔵が著した日本を代表する兵法書です。
日本人なら武道をしていない人でも一度は聞いた事があると思います。
「五輪の書」は武蔵が晩年過ごした熊本市の金峰山の霊巌洞にて、執筆し、死の直前に完成されたと言われています。
内容は「地の巻」「水の巻」「火の巻」「風の巻」「空の巻」の五部で構成されています。
負ければ死ぬという実戦の場から武蔵が得た剣術の極意はスポーツやビジネスの世界などで活躍する人を惹きつけるようで、現在でも愛読書をする人が多い事でも知られています。
(ただ、「五輪の書」は武蔵の自筆書は消失されたと伝えられ、現在は写本が残るだけです。
その事からも、武蔵の死後、弟子が創作したという説もあります。)
五輪の書の構成は?
「五輪の書」の由来は密教の五輪(五大)からとっており、「地・水・火・風・空」の五巻の整理されています。
自らの流を二天一流と名付けたこと、これまでの生涯、兵法のあらましが書かれている。「まっすぐな道を地面に書く」ということになぞらえて、「地の巻」とされている。
二天一流での心の持ち方、太刀の持ち方や構えなど、実際の剣術に関することが書かれている。「二天一流の水を手本とする」剣さばき、体さばきを例えて、「水の巻」とされている。
戦いのことについて書かれている。個人対個人、集団対集団の戦いも同じであるとし、戦いにおいての心構えなどが書かれている。戦いのことを火の勢いに見立て、「火の巻」とされている。
他の流派について書かれている。「風」というのは、昔風、今風、それぞれの家風などのこととされている。
兵法の本質としての「空」について書かれている。
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