どうも、おがわです。
今回は・・・
日本一有名な剣豪である宮本武蔵(みやもとむさし)が晩年書いた日本一有名な武道書「五輪書」の火の巻を簡単に解説したいと思います。
「火の巻」は武蔵の戦術戦略について書かれていて、より実戦的な内容になっています。
五輪の書 ~火の巻~ とは?
宮本武蔵は五輪の書の「火の巻」では「水の巻」で説いた水の心身を使っての戦術戦略を説いています。
武蔵は戦を「火」に例えて説明をしています。
面白いのは水のようなクールで自在な心身を使い、火のように激しい戦いをするという事です。
火のような戦いの中にあって、心身まで火の激しさにのまれてしまわないようにする事は重要なのかもしれません。
①兵法は小手先ではない
どうしても、一般の人は兵法を小さく考えて、小手先(剣の振り下ろしが早いとか)でとらえがちになる。
1人で10人に勝つ、千人で一万人に勝つような
命がけの闘いの勝つ道理を知らないといけない。
その為には、毎日の鍛錬を怠ってはいけないと武蔵は書いています。
朝にタに鍛練して、みがくこと。
それをやり遂げれば、その後は、ひとりでに自由を得て、おのづから奇特〔奇跡的効験〕を得て、神通力の不思議が生じる。
ここが、まさに兵法を修行する息〔精粋〕である。
②有利な環境を選ぶ事
武蔵は相手より有利な環境を選んで闘う事の重要性を説いています。
・太陽を背後にして搆える
・太陽を背にできない場合、右脇の方に太陽がくるように
・座敷や夜間の光も太陽を同じように利用する
・後のスペースが詰まらないように、左を広く、右は詰めて搆える
・「敵を見下ろす」と言って、常に相手より、少しでも高い所を取る様に
・実戦では常に相手を不利な状況に追い込む事
■場の次第という事
場の位*を見分けるについて、その場において「日を負う」ということがある。(つまり)太陽を背後にして搆えるのである。もし、場所によって太陽を背にすることができないときは、右の脇の方に太陽がくるようにすべし。 座敷〔屋内〕でも、あかりを背にし、右脇にすること、前に同じである。後方の場が詰まらないようにし、左の場を広くとり、右脇の場を詰めて搆えるようにしたいものである。 夜間でも、敵の見える所では、火を背にし、あかりを右脇にすること、前に同じと心得て、搆えるべきである。 「敵を見下ろす」といって、少しでも高い所に搆えるように心得ること。座敷では、上座〔かみざ〕を高い所と思えばよい。 さて、戦いになって、敵を追い廻す場合、自分の左の方へ追い廻す感じで、難所を敵の後にくるようにさせ、どんな場合でも難所へ追い込むことが肝要である。 難所では、「敵に場を見せず」といって、(それは)敵に顔を振らせず、油断なくせり詰めるという意味である。座敷でも、敷居・鴨居・戸障子・縁側など、また柱などの方へ追い詰める場合にも、「場を見せず」ということ、前に同じである。 どんな場合でも、敵を追い込む方向は、足場の悪い所、または脇にさし障りのある所、いづれにしても、その場の徳〔得、優位〕を利用して、場の勝ちを得るという心を専〔せん、第一〕にして、よくよく吟味し、鍛練あるべきものである。
③相手より有利に立つ
武蔵は三つの先という事を言っています。
先を取るとは、剣の立ち会いの中で、相手より有利に立つという意味です。
【三つの先】
①懸(けん)の先・・・自分から先に相手にかかり先を取る。
②待(たい)の先・・・相手に先にかからせておき先を取る。
③躰々(たいたい)の先・・・自分と相手が同時に動いた時に先を取る。
この三つの先のいずれかと取り、相手より有利に立つ事が重要です。
どの先を取るかは、状況により最も適切なものを判断する事がたという事を言っています。
「枕をおさえる」という事の重要性も説いています。
これは相手の出鼻をくじくという意味で、先を取るという事に通じると思います。
また、自分の技能を見極め、安全に確実に相手より先を取る事を、船に例えて
「渡を越す」と表現をしています。
いずれにせよ、相手より有利に立つことが重要になります。
この三つの先は、時にしたがい、理〔利〕(の有無)にしたがって(行うもので)、どんな場合でもこちらから(先に)仕懸けるということではないが、同じことなら、我が方から仕懸けて、敵を廻し〔翻弄し〕たいものである。 何れにしても、先〔せん〕のことは、兵法の智力によって必ず勝ちを得るという心持、(これを)よくよく鍛練あるべし。
④状況を冷静に判断する
「景気を知るという事」
景気とは相手の勢いの事です。
つまり相手の状況をよく見て、状況を把握し、自分の戦略に活かすという事です。
勝ってなんぼですから、どういう戦い方をするのは、相手の状況を見て、冷静に判断をするべきなのだと思います。
どんなものでも、景気ということは、こちらの智力が強ければ、必ず見えるものである。兵法が自由自在の身になると、敵の心をよく計量して勝つという道が多くなるのである。(この点)工夫あるべし。
「敵になるという事」
つまり、相手の立場になって考えてみろ!と言う事です。
相手に立場になって考えてみると、思わぬ弱点も分かったりするものです。
一分の兵法でも、敵になって考えるべきである。兵法をよく心得て、道理が強く*、その道に練達した者に逢えば、必ず負けると思うものである。よくよく吟味すべし。
⑤行き詰ったら、心機一転から
「四手(よつで)を放すという事」
「新たになるという事」
これはほぼ同じ意味で
相撲でがっちり組み合って、動かない状況では、お互いに体力を消耗するだけ
組み合うのをやめて、一度離れて、新たに相手と向かう合う方が良いのではないか。
また、一分の兵法の場合でも、四つ手になったと思えば、ただちに心持を変えて、敵の位〔態勢〕を把握して、まったく違う別の利を使って勝つ、それをわきまえることが肝要である。よくよく分別すべし。
⑥怒らせて相手の調子を狂わせる
相手を怒らせたり、おびえさせたりして、相手の調子を狂わせる。
これは武蔵の得意技ですね。
有名な巌流島の闘いでも、武蔵は決闘時間に遅刻をして、佐々木小次郎を怒らせ作戦にでます。
さらに、刀を抜いて、鞘を捨てた小次郎に
「小次郎、敗れたり。勝つ者が何ゆえに鞘を捨てるか!」
とさらに怒らせ作戦で出て、小次郎の調子を狂わし、勝利したと言われています。
(これも諸説ありですが・・・)
⑥岩のように不動の心身を
真剣に兵法の鍛錬に取り組めば、
何物にも流されない、岩石のような強靭な心身が手に入る。
武蔵の教えには、激しさと静かさが同居しているように思います。
巌〔いわお・岩石〕の身というのは、兵法の道を会得して、たちまち岩石のようになって、どんな場合でも、当らない、動かない、というところ(である)
五輪の書とは?
「五輪の書」は宮本武蔵が著した日本を代表する兵法書です。
日本人なら武道をしていない人でも一度は聞いた事があると思います。
「五輪の書」は武蔵が晩年過ごした熊本市の金峰山の霊巌洞にて、執筆し、死の直前に完成されたと言われています。
内容は「地の巻」「水の巻」「火の巻」「風の巻」「空の巻」の五部で構成されています。
負ければ死ぬという実戦の場から武蔵が得た剣術の極意はスポーツやビジネスの世界などで活躍する人を惹きつけるようで、現在でも愛読書をする人が多い事でも知られています。
(ただ、「五輪の書」は武蔵の自筆書は消失されたと伝えられ、現在は写本が残るだけです。
その事からも、武蔵の死後、弟子が創作したという説もあります。)
五輪の書の構成は?
「五輪の書」の由来は密教の五輪(五大)からとっており、「地・水・火・風・空」の五巻の整理されています。
自らの流を二天一流と名付けたこと、これまでの生涯、兵法のあらましが書かれている。「まっすぐな道を地面に書く」ということになぞらえて、「地の巻」とされている。
二天一流での心の持ち方、太刀の持ち方や構えなど、実際の剣術に関することが書かれている。「二天一流の水を手本とする」剣さばき、体さばきを例えて、「水の巻」とされている。
戦いのことについて書かれている。個人対個人、集団対集団の戦いも同じであるとし、戦いにおいての心構えなどが書かれている。戦いのことを火の勢いに見立て、「火の巻」とされている。
他の流派について書かれている。「風」というのは、昔風、今風、それぞれの家風などのこととされている。
兵法の本質としての「空」について書かれている。
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