どうも、おがわです。
今回は・・・
日本一有名な剣豪である宮本武蔵(みやもとむさし)が晩年書いた日本一有名な武道書「五輪書」の水の巻を簡単に解説したいと思います。
宮本武蔵の心身の使い方は水を手本にしています。
五輪の書 ~水の巻~ とは?
宮本武蔵は五輪の書の「水の巻」で、自分の精神と肉体をいかに鍛錬していくかと説明しています。
続く「火の巻」では相手との相対的な戦法を説いているにに対して、「水の巻」では戦法以前の自分自身の問題を主に書いています。
「水の巻」冒頭で武蔵は、以下のように書いています。
兵法二天一流の心、水を本として、利方の法をおこなふ
(わが二天一流の根本は、水の心を手本として、勝利の道を見出していく)
武蔵の心身の使い方は「水」を手本にしているようです。
①常に水のような心で・・・
日常も戦場でも常に変わる事の無い「水の心」でいる事が大切だと武蔵は説いています。
「水の心」とは、心を広く、真っ直ぐにして、緊張しすぎる事もなく、緩む事もない心の事です。
また、心が何かにとらわれて止めてもいけないし、気を抜いて、注意散漫なのもいけない。
動きが静かな時も、心は止めてしまわず、動きが激しい時も、心を波たてない常に水のような一定の心に保つ事が大切です。
そして「外柔内剛」
一見頼りなさそうにしていても、心の底では強く
本心を誰にも悟られないようにするのが兵法者であるというのが武蔵の考えです。
②戦闘時の姿勢
武蔵は心だけでなく、
戦闘時の身体のあり方も、日常と変わらないように努めるべきだと考えていました。
武蔵の理想の姿勢について、水の巻に記載されていますので紹介します。
「体の姿勢は、顔はうつむかず、あおむかず、かたむかず、曲げず、目を動かさず、額にしわをよせず、眉の間にしわをよせ、目の玉を動かさないようにして、またたきをしないような気持で、目をやや細めるようにする。
おだやかに見える顔つきで、鼻すじはまっすぐにして、やや、おとがいを出す気持で、くびはうしろの筋をまっすぐにして、うなじに力を入れて、肩から全身は同じものと考える。
両肩を下げ、背すじをまっすぐにして、尻を出さず、ひざから足先まで力を入れて、腰がかがまぬように腹を出す。くさびをしめるといって、脇差のさやに腹をもたせて、帯がゆるまぬように、くさびをしめる教えがある。
すべて兵法にあっては、平常の身体のこなし方を戦いのときの身のこなし方とし、戦いのときの身のこなし方を平常と同じ身のこなし方とすることが大切である。よくよく研究しなければならぬ。」
②観の目を強く
武蔵は物の見方について、「見の目」と「観の目」の2つに分けて説明をしています。
「見の目」は普段、私達がしているように、目の前の現象を見る目の事です。
「観の目」は目では見えない物事の本質や相手の心を見る目の事です。
「見の目」は肉眼で、「観の目」は心で見るという風に理解しても良いかもしれません。
では、真剣勝負の場ではどのように相手を見たら良いのでしょうか?
「観の目強く、見の目弱く」
と武蔵は言っています。
「観の目」に関しては、以下に詳しく書いています。
合わせてご覧くださいね。
「観の目」とは?武道における目付けの重要性 ~宮本武蔵の五輪の書より~」
③太刀の持ち方
武蔵は姿勢と同じで太刀の持ち方に関しても、細かく説明しています。
「刀を持つ時は、親指と人差し指を浮かす気持ちで持ち、中指は絞めすぎたり緩めすぎたりしないようにして、薬指と小指で絞めるように持つ。
手の内(この持ち方)には隙間があってはならない。敵を必ず殺すんだという気持ちで刀を持て。敵を斬り殺す時もこの手の内をそのまま保ち、手の一所に力が入りすぎるなどあってはならない。
もし敵の刀を『張る』時、受ける時、当てる時、抑える時でも、親指人差し指に少し力を入れる事があるが、とにかく、そのまま斬るんだと決めて刀を持て。
試し切りをする時でもこの兵法で斬る時でも、人を斬るというこの手の内は同じなのだ。
基本的に、刀にも、手にも、『居着く』ということが無いようにせよ。居着くと攻撃をさばけず死に至り、居着かず自由に刀を振れれば死地に生を見いだせる。良く心得よ。」
剣をキツく握り込まず、小指を薬指で握り、親指と薬指は軽めに握る事は合気道でも良く言われる事ですね。
④足の使い方
武蔵は足に関しても「居着く」ことはいけないと言っています。
「足の運びかたは、爪先を少し浮かせて踵を強く踏むこと。足使いは時に応じて大きく・小さく・遅く・早くするが、常に普通に歩く様にする。
飛ぶ、足を浮かせる、腰を落として踏みつける、の三つはやってはいけない。
兵法の大切なことに『陰陽の足』という教えがある。これは当流(二天一流のこと)にとっても重要なことだ。
陰陽の足使いとは、片足だけを動かしてはならないということだ。
斬る時、引く時、刀を受ける時でも、陰陽の両極を交互に渡る様に、右左右左と踏んでいく。何度も言うようだが、どちらかの片足だけ中心にして、スキップを踏むような足運びをしてはならない。良く吟味して欲しい。」
普通に歩く様な歩行をする事とあります。
居着かず、飛び上がらず、自然な足運びが重要なようです。
⑤五方の構えとは・・・
水を手本とした「二天一流」には構えがなさそうですが、実は決められた五つの構えがあります。
①上段
②中段
③下段
④右の脇
⑤左の脇
この五つの構えはいずれも人を斬るためのもので、「二天一流」にはこの五つ以外の構えはないと武蔵は言っています。
ただ、構えは斬るために一番、良いものを選ぶべきであり、
型にはまった構えは良くない。
「有構無構」構えはあって、ない!と武蔵は言っています。
五輪の書とは?
「五輪の書」は宮本武蔵が著した日本を代表する兵法書です。
日本人なら武道をしていない人でも一度は聞いた事があると思います。
「五輪の書」は武蔵が晩年過ごした熊本市の金峰山の霊巌洞にて、執筆し、死の直前に完成されたと言われています。
内容は「地の巻」「水の巻」「火の巻」「風の巻」「空の巻」の五部で構成されています。
負ければ死ぬという実戦の場から武蔵が得た剣術の極意はスポーツやビジネスの世界などで活躍する人を惹きつけるようで、現在でも愛読書をする人が多い事でも知られています。
(ただ、「五輪の書」は武蔵の自筆書は消失されたと伝えられ、現在は写本が残るだけです。
その事からも、武蔵の死後、弟子が創作したという説もあります。)
五輪の書の構成は?
「五輪の書」の由来は密教の五輪(五大)からとっており、「地・水・火・風・空」の五巻の整理されています。
↓画像をクリックするとそれぞれの紹介ブログに飛びます。
自らの流を二天一流と名付けたこと、これまでの生涯、兵法のあらましが書かれている。「まっすぐな道を地面に書く」ということになぞらえて、「地の巻」とされている。
二天一流での心の持ち方、太刀の持ち方や構えなど、実際の剣術に関することが書かれている。「二天一流の水を手本とする」剣さばき、体さばきを例えて、「水の巻」とされている。
戦いのことについて書かれている。個人対個人、集団対集団の戦いも同じであるとし、戦いにおいての心構えなどが書かれている。戦いのことを火の勢いに見立て、「火の巻」とされている。
他の流派について書かれている。「風」というのは、昔風、今風、それぞれの家風などのこととされている。
兵法の本質としての「空」について書かれている。
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