どうも、小川です。
2025年も明けてしまいましたね。
私は正月休み中は毎日9時間は寝る体たらくな生活をしています。
寝る以外はボーとしたり、本を流し読みしたりしながら、以前から考えていた「黒帯の責任」ということに関して考えていました。
私はさらにより良い道場になるために、長年稽古をしている者がしっかりと「黒帯の責任」を自覚する必要があるように感じています。
長く稽古をして、合気道の実力があるということだけでなく、「黒帯の責任」を自覚する人でないと、本来黒帯をつけるべきではいのではないかとすら思います。
少し話は飛びますが、、、
ノーブレス・オブリージュ(noblesse oblige)という言葉をご存じでしょうか?
ノーブレス・オブリージュ(noblesse oblige)とは
ノブレス・オブリージュ(noblesse oblige)とは、フランス語で「身分の高い者はそれに応じて果たさねばならぬ社会的責任と義務がある」という意味の言葉です。
「noblesse(貴族)」と「oblige(義務を負わせる)」を組み合わせた言葉で、19世紀にフランスで生まれ、その後イギリスや西欧に広まりました。
欧米社会では、ノブレス・オブリージュは基本的な道徳観として浸透しており、社会の心理的規範となっています。法律で定められた規則ではありませんが、道徳を軽んじると社会的に批判される可能性があります。
引用:Google検索のAI回答
ノーブレス・オブリージュは現在問われる「企業の社会的責任」を意味するCSR(Corporate Social Responsibility)にも通ずるところがあるとよく言われています。
高い身分にあるものは、好き勝手にふるまうのではなく、その身分に応じた責任があり、より自戒をする必要があるということだと思います。
ノーブレス・オブリージュは法律やルールではなく、社会に浸透した道徳観であり、違反をしたからといい、罰せられるものではありません。
しかし、大きく逸脱をした場合、社会から非難をあび、決して尊敬を得られることはありません。
実は私がノーブレス・オブリージュという言葉を知ったのは、以前に新渡戸稲造先生の「武士道」を読んだ時です。
新渡戸稲造先生は「武士道」は一言でいえば「高き身分の者に伴う義務(ノーブレス・オブリージュ)」のことであると言われています。
西欧ではキリスト教をベースに道徳教育(徳育)を行いますが、日本では武士道がそれにあたると新渡戸稲造先生は考えたわけです。
武士道=ノーブレス・オブリージュ ~新渡戸稲造先生の「武士道」より~
岡倉天心先生の「茶の本」と内村鑑三先生の「代表的日本人」と共に、西洋諸国に「日本の精神」を知らしめた名著が新渡戸稲造先生の「武士道」です。
英語で書かれた「武士道」ですが、様々な言語に翻訳され、世界的ベストセラーとなりました。
新渡戸稲造先生は西洋にも騎士道というものがありますが、武士道はもう少し広い意味を持つと言われています。
以下、「武士道」からの引用です↓↓
さて、私がおおざっぱに武士道(chivalry)と訳した言葉は、原語の日本語では騎士道よりも、もっと多くの意味合いを含んでいる。「ブシドウ」は字義的には「武士道」である。
すなわち武士階級がその職業、および日常生活においてにおいて守るべき道を意味する。
一言でいえば「武士の掟」、すなわち、「高き身分の者に伴う義務(ノーブレス・オブリージュ)」のことである。
引用:新渡戸稲造. いま、拠って立つべき“日本の精神” 武士道 (PHP文庫) (pp.15-16). PHP研究所. Kindle 版.
このように文字上の意味を確認した上で、私はこれ以降、武士道(Bushido)なる日本語を使わせていただくことにする。
原語を使うことは次の理由からも望ましい。
つまり、これほど限定的で独特な、しかも独自の気風や性格を生んだわが国固有の教訓は、それとわかりうる特徴的なしるしを全面におびていなければならないからだ。
加えて民族的な特性を持つある種の言葉は、国民的音色を持つものであって、たとえ最高の翻訳者であっても、その言葉の真意を正しく伝えることは至難の業なのである。
引用:新渡戸稲造. いま、拠って立つべき“日本の精神” 武士道 (PHP文庫) (p.16). PHP研究所. Kindle 版.
アニメ・映画に見る「ノーブレス・オブリージュ」の精神
実は漫画や映画などでも、登場人物が「ノーブレス・オブリージュ」を語るシーンが多くあります。
ここでは、二つ紹介しますね。
まずは『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』から、煉獄瑠火(れんごくるか)が、亡くなる前に息子である杏寿郎(きょうじゅろう)に残した言葉がこちらです。
「なぜ自分が人よりも強く生まれたのかわかりますか」 「弱き人を助けるためです。 生まれついて人よりも多くの才に恵まれた者はその力を世のため人のために使わねばなりません 天から賜りし力で人を傷つけること、私腹を肥やすことは許されません 弱き人を助けることは強く生まれた者の責務です 責任を持って果たさなければならない使命なのです 決して忘れることなきように」
次はマーベル・コミックの『スパイダーマン』から主人公のピーター・パーカーにベンおじさんが亡くなる前に伝えた言葉を紹介したいと思います。
「大いなる力には大いなる責任が伴う」「With great power comes great responsibility.」
人の集まり(組織、コミュニティー、広くは社会)においても、力のあるもの、地位に高いものに「ノーブレス・オブリージュ」の精神がなければ、秩序が保たれた良き集団が作られ、持続していけるわけがないと私は考えます。
道場という小さな人の集まりにおいても、同じなのではないかと思います。
黒帯はノーブレス・オブリージュ(noblesse oblige)の精神を
クラーク博士「紳士たれ」(Be gentleman)のように・・・
年末年始に黒帯の責任に関して、いろいろ考えを巡らせてみましたが、思い当たることは無限にあります。
でも、詳しく項目として羅列することは控えようと思います。
新渡戸稲造先生や内村鑑三先生が卒業した札幌農学校(現北海道大学)の初代教頭であるウィリアム・スミス・クラーク博士にこんなエピソードがあります。
札幌農学校の初代教頭としてウィリアム・スミス・クラーク博士が来日した際、北海道開拓使長官 黒田清隆氏が事細かな校則を事前に準備してクラーク博士に伺いを立てたところ、
「こんな規則などはいらない。紳士たれ(Be gentleman)の一言で十分である」」と言い放ったと言います。
クラーク博士は、学生たちに規則に縛られず、紳士としてふさわしいか、常に自分の良心に照らし合わし行動をすべきだと伝えたかったのですはないでしょうか?
我々も「黒帯たれ」常に「黒帯としてふさわしいか?白帯のお手本になっているか?」自分自身を自己鑑賞しながら、反省しながら、稽古をしていければなあと思います。
最後にもう一度・・・
黒帯はノーブレス・オブリージュ(noblesse oblige)の精神を
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