どーも、おがわです。
明治初期に西洋諸国に日本を含む東洋の思想文化のすばらしさを知らしめるために、
岡倉天心が書いた「茶の本」
今回は第三章「道教と禅道」について、まとめていきますね。
内容が難しくて、読むのがストレスで挫折しかけました💦
茶の本 第三章「道教と禅道」
第三章では天心は茶道に大きな影響を与えた「道教」と「禅道」について紹介をしています。
当時、東洋思想を英語で西洋人に伝えるのは非常に難しいことだったのではないでしょうか?
「道教」と「禅道」を正しく翻訳することは難しいと天心自身も言っています。
茶は禅だけでなく、道教とも関係が深い
茶と禅の深い事はよく知られています。
「茶の湯」は禅の儀式として発達しました。
しかし・・・
じつは、道教とも茶は関係が深いのです。
茶の本の第二章の最後を天心はこのような言葉で締めくくっています。
客人にお茶を出すという作法はすでに老子(道教の始祖)の時代にはあったようです。
客人にお茶を出す礼儀は、すでに老子の時代にはあったようですね。
「道教と禅とに対する興味は、主としていわゆる茶道の実際に現れている。」
と天心は言います。
道教と禅のエッセンスはどちらも茶道の中に入っているということです。
「道教」と「禅道」を正しく翻訳することは難しい。
「茶の本」が書かれた当時、道教と禅道に関して、外国語できちんと書かれたものは存在しません。
道教と禅道の教えの翻訳はなかなか難しいのです。
そもそも、過去の聖人たちはその教えを系統だてなかったのだから・・・。
教えを翻訳しようとしても、その表面をサラリとなぞるに過ぎないものが仕上がります。
そんな理由から、先人たちは道教と禅の教えを、あえて系統立てなかったのです。
それは教えの表面をサラリとなぞって、分かったような気になることを恐れたからです。
禅も不立文字(ふりゅうもんじ)、文字では禅の悟りは得ることはできないという教えがありますし、
道教の始祖である老子の中心概念である道(タオ)には、匂いも形もなく、語ることはできないと言います。
「道教」について
道教とは宇宙の不変の真理である道(TAO)を中心概念に置く宗教です。
老子・荘子の思想(老荘思想)がその源と言われています。
老子は実在の人物かは??だそうです。
■道(TAO) とは?
老子は道(TAO)を次のように述べています。
物有り混成し、天地に先んじて生ず。寂(せき)たり寞(ばく)たり、独立して改(かわ)らず、周行して殆(とど)まらず。以(も)って天下の母と為すべし。
吾(わ)れその名を知らず、これに字(あざな)して道と曰(い)う。強(し)いてこれが名を為して大と曰う。大なれば曰(ここ)に逝(ゆ)く、逝けば曰に遠く、遠ければ曰に反(かえ)る。
現代語訳にすると以下になります。
また、岡倉天心は道(TAO)について、このように捕捉しています。
うーん、なんだか道(TAO)って、聞けば聞くほど良く分かりません。
でも、大丈夫
道(TAO)は「味がないし、見え ないし、聞こえないもの」なのだそうです。
とても言葉で説明できるものではないのでしょう。
なので、分からなくても大丈夫。
■道教は浮世に「美」を見出そうとしている。
「儒教・仏教・道教」の教えを、分かりやすく説明した宋の時代のたとえ話を、天心は紹介します。
「孔子・仏陀・老子」の三大聖人が、同じ酢(人生の象徴)をなめます。
同じ酢なので、同じ味のはずですが、それぞれ感想が違います。
孔子は酸っぱい、仏陀は苦い、老子は甘いと違う感想を言います。
この例えにそれぞれの宗教の人生の捉え方があらわれています。
天心は道教について、このように説明しています。
道教は人生を楽観的に前向きの捉えていく教えだということですね。
人生という喜劇を、さらに面白くしていくために
「虚(きょ)」が大切だと、老子は説明しています。
名前の由来 「太鳳(たお)」という名前は本名である。 胎児の性別を教えない産院で生まれたため、名前を決めるのに困った母親が「生まれたばかりの裸の赤ん坊が雲の上で寺子屋のような低い長机に正座し、細長い紙に筆で『二月三日生まれ 女 太凰』と書いていた」という内容の予知夢を見たことに由来する。
老子の「虚(きょ)」の教え
老子は虚(きょ)に関して、このように言っています。
虚とは何もないところの事です。
この何もないところが大切だと、老子は言っています。
例えば・・・
部屋の本質は、屋根と壁に囲まれたなにもない空間です。
水差しの役に立つところは、水を注ぎこむことのできる何もない空間です。
人間も同様です。
天心はこのように言っています。
この道教の虚の考え方は、日本武道の思想や動きに大きな影響を与えています。
日本古来の体術である「柔術」は道徳経の中の言葉だそうです。
道徳経は老子か書いたとされる書物です。
確かに日本武道には「柔よく剛を制す」という考え方が、深く根差していますね。
じつは「柔よく剛を制す」も老子の言葉です。
「柔よく剛を制す」に関しては、次のブログに詳しくまとめています。
あわせて読んでみてくださいね。
↓↓↓↓↓↓↓↓↓
■バカボンのパパと読む「老子」
ドリアン助川さんのバカボンのパパと読む「老子」はすごーく楽しく老子の思想を学べます。
現代語訳に加えて、バカボンのパパ語訳がついています。
「これでいいのだ」
が口癖のバカボンのパパは無為自然の境地に達しているのかも??
バカボンのパパが武道をすれば、間違いなく達人ですね。
「禅道」について
禅は道教と同じく「相対」を崇拝するものですが、
禅の教えは、道教の教えをさらに強調しているとも言えます。
禅には、座禅を組んでいる時だけでなく、食事の準備や掃除など生活にすべてが修行という考え方があります。
ですから、日常の些細な行動も絶対完全に行なわなければならないのです。
これが、些細な事でも偉大な事と考える「茶道」の理想は、禅に多大な影響を受けています。
そして、天心はこのような言葉で、この章を締めくくっています。
岡倉天心の人生を紹介したブログ
おすすめの「茶の本」
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■「茶の本」のブログ
岡倉天心の「茶の本」を各章ごとにまとめています。
一生懸命、まとめました。
併せて読んでみてくださいね。
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SHIZUKO (日曜日, 07 5月 2023 14:37)
3人の子どもと成長中の50代(女)です。普段仕事もしていて読書をする時間がないのですが、GWは一冊だけでも本を読もうと図書館で借りてきた本が「THE BOOK OF TEA」でした。時間がない中小走りに入った図書館で本当にたまたま手に取った本でしたが、その出会いに感謝する一冊になり、難しい言葉をスマホで調べるうちにこちらのブログに導かれました。普段はこんなにのんびりとスマホをいじる時間もなくこのようなコメントを打つことも初めてですが、思わずコメントを送らせて頂こうと思いました。まだ読みきれていませんが返却日までにこちらのブログも併せて完読しようと思います。
合気道興味を持ちましたがあいにく遠いため、とても残念です。(こちらは岡倉覚三先生ご出身の横浜です)
ご活躍、ご健闘お祈りいたします!
おがわ (月曜日, 08 5月 2023 11:41)
コメントありがとうございます。ずいぶん前に書いたブログですが、何かの参考になれば。。。合気道は日本武道ですので、日本の文化や心を知りたくて、「茶の本」を読みました。横浜にも合気道はありますので、機会があれば(^^)